ご氏名

岩岡 渉さん

所属・勤務先

越谷どうぶつ病院 〔埼玉県越谷市〕

施設ウェブサイトのURL

https://koshigayavet.jp/

Q1 なぜJCRAウサギマスター検定1級を受験しようと思ったのですか。

当院は2017年に事業承継する形で開院しました。前院長ご夫婦はうさぎの診療もしておりましたので、当院には開院当初からうさぎの患者さんがいました。開業前に私の経歴は犬、猫をメインに診療をする病院で働いていましたので、うさぎを十分に診療することが出来ませんでした。困っている患者さんにほかの病院へ行ってもらうのも申し訳なく思う一方で、自信をもって診療できないことに後ろめたさを感じていました。一からうさぎのことをしっかり学びたかったため霍野晋吉先生のウサギプライベートセミナーを受講しました。セミナー中、JCRAウサギマスター検定1級というものが今度できるという話を伺いました。もともと自信をもって診療するために受講したセミナーでしたが、幸い自分には受験資格がありましたので、セミナーで学んだ知識を無駄にしないためにも受験することにしました。

Q2 ずばりウサギの魅力はなんですか。

見た目のかわいさ、人に懐くところ、飼いやすさだと思います。犬や猫と比べると鳴き声も静かで、匂いも強くないので近所に気にすることなく飼うことができます。運動は必要ですが、外に散歩に行く必要はないため、仕事で忙しい人にも飼いやすいかと思います。品種にもよりますが比較的小柄で、トイレも覚えてくれますので、小動物の中では比較的世話が楽かと思います。警戒心はありますが、群れで暮らす習性があるため人によく懐きます。意思疎通が取れるため、他の小動物よりも愛着が湧きやすいかと思います。うさぎによく起こる病気は適切な飼養管理で回避できるものが多いため、個体によってあまり病気にらない子もいます。一方で適切な食事、飼い方を誤ると病気になりやすいため注意が必要です。

Q3 ウサギの診療において得意な分野はなんですか。

特に得意と言える分野はありませんが、できるだけ病気になってほしくないので生活指導に力を入れています。うさぎの場合普段の生活を気を付けることで防げる病気がたくさんあります。適切な指導ができるよう今後は私だけではなく動物看護師さんにも検定資格を取ってもらおうと思っています。また当院では副院長が中獣医鍼灸師の資格をもっているので鍼灸や漢方薬による治療も取り入れています。特に漢方薬は植物由来のため、自分で薬を食べてくれる子が多く、うさぎとの相性が良いように感じます。

Q4 ウサギの診療において特に気をつけていることはなんですか。

うさぎは強い脚力と密度の薄い骨を持つため、診療中の事故が起こりやすい動物です。ストレス耐性も弱く、場合によっては診療行為によるストレスで呼吸停止や心停止が起こることがあります。そのようなトラブルを回避するため診療にはうさぎに恐怖を極力与えないよう注意しています。まずうさぎをキャリーから出す前にうさぎの呼吸状態や緊張状態を確認します。呼吸状態がおかしければ酸素供給をしますし、警戒心が強く事故が起こる可能性が高いと判断した場合は鎮静剤や抗不安効果のある塗る漢方薬などを使っています。

Q5 動物病院内でJCRAウサギマスター検定2級の動物看護師さんやトリマーさんはいますか。

今後取得する予定です。

Q6 ウサギの診察は月に何頭くらいですか。

約20~30頭

Q7 ウサギ避妊手術は月に何頭くらい行っていますか。

1頭

Q8 ウサギを飼ったことがありますか。

飼ったことはない

Q9 JCRAのテーマソングを歌えますか。

歌えない

最後にウサギの飼い主さんに対してメッセージをください。

うさぎによく起こる病気には歯牙疾患や消化器疾患がありますが、いづれも適切な食餌を選択したり、運動やブラッシングのケアを適切に行うことによって予防することが出来ます。うさぎは病気になっても症状が分かりにくいため、気が付いたころには重症化していることが少なくありません。それ故日々の飼い主さんのケアや観察がとても重要になります。またうさぎはストレスに弱く、神経質な子ほど胃腸の動きが悪くなったり、免疫力が低下しやすくなります。飼い主さん以外の人にも慣らしたり、ストレスに寛容に育つよう気にかけることも病気の予防になります。うさぎの適切な飼育方法を学ぶことは初めてうさぎを飼う方にとっては難しく感じるかもしれません。そのようなときは気軽にうさぎマスター検定の資格を持つ獣医師や動物看護師に相談して頂ければと思います。また飼い主さんご自身が検定3級を取得することもお勧めです。